式典を前に1分間の黙祷を行い、大震災の犠牲者に哀悼の意を捧げる参列者(撮影・張璐璐)
在中国日本大使館は11日午後、東日本大震災10周年式典を催した。垂秀夫駐中国大使、程永華中日友好協会常務副会長、趙明応急管理部地震地質災害救援司長らが出席した。
北京時間午後1時46分(日本時間午後2時46分)、参列者は震災の犠牲者に哀悼の意を捧げ、1分間の黙祷を行った。
垂大使はスピーチで、「震災から10年の月日を経て、被災地は着実に復興の道を歩み、被災各地は活気や賑わいを取り戻している。昨年はコロナの影響で観光産業は大きな打撃を受けているが、世界各国が協力しいち早く新型コロナウィルス感染症を押さえ込み、魅力あふれる東北地方を是非訪問して欲しい」と表明。
被災地への中国の援助に特に触れ、「日本から支援を行った2008年の四川大地震の3年後、中国から届いた沢山の支援は日中両国民のお互いの感情にも良い影響を与えた」と指摘。また、「災害は大きな被害を残し、関係する全ての方々にとって大変痛ましいことだが、その災害を契機にその都市の防災機能は向上し、前よりも強くなる。我々は災害という与えられた試練を乗り越えた証として、災害で得た教訓や絆を後世に伝えていく責務がある」とした。
駐日大使時に大震災を自ら経験した程副会長は、「10年前に突如襲った震災を前に、中国国民は直ちに援助の手を差し伸べ、災害救助と復興作業に積極的に参加した。中日各界の方々が自然災害を前に両国民が結んだ数多くの友情を一層大切にし、中日の善隣友好と運命共同体の意識を高め続け、両国首脳間の重要な共通認識をしっかりと実行に移し、防災・減災分野の両国の交流や協力を深め続け、絶えず両国の発展に寄与し、両国国民の友好を増進することを希望する」と表明。さらに、「中日国交正常化から来年で50年になる。両国がしっかりと誘導し、引き続き力を尽くし、さらに多くの人々が中日友好事業に身を投じるようにし、両国の友好を支える民意の基礎をしっかりと固め、両国関係の長期的で健全な安定した発展の推進のために力を捧げることを希望する」と述べた。
趙氏は、「日本大使館が今日式典を開催したのは、東日本大震災の犠牲者に深い哀悼の意を表するものであると同時に、各国の政府や国民に警戒を促すものでもあり、地震災害など自然災害との闘いにおける各国民の協力を真摯に呼びかけるものでもある。中国は中日両国が地震など重大な自然災害への対策面で交流や協力を強化し、『山川域を異にすれども、風月天を同じうす』という運命を共にし、互いに見守り助け合う友情の章を書き継いでいくことを心から希望する」とした。
式典では、震災で甚大な被害を受けた岩手県、宮城県、福島県、茨城県の復興状況を紹介するビデオが上映された。
2011年3月11日午後2時46分、日本の東北沖でマグニチュード9.0の地震が発生し、極めて大きな津波と福島第1原発の放射能漏れを引き起こし、数多くの人々が死傷した。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年3月12日