備蓄米影響で銘柄米買い控えも スーパーでは一部値引きの動き——贯通日本资讯频道
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備蓄米影響で銘柄米買い控えも スーパーでは一部値引きの動き

随意契約で売り渡された割安な備蓄米の販売が各地で始まる中、スーパーの間では、銘柄米の売れ行きが鈍ってきていることから、発注の頻度を減らしたり、一部を値引きしたりする動きも出ています。

埼玉県越谷市のスーパーでは、価格が高騰している銘柄米の売れ行きが徐々に鈍り、これまで備蓄米の取り扱いもなかったことから、先月のコメ全体の販売量は、4月より3割近く減ったということです。

首都圏のスーパーなどで随意契約による備蓄米の販売が始まった5月下旬以降は、さらに銘柄米を中心に売れ行きが落ち込んできていて、店では、割安な備蓄米が販売されるまで客が買い控えるなどしているためではないかとみています。

この店では、銘柄米の発注頻度を週3回程度から週1回程度に減らしたほか、9日は、店の担当者が精米から1か月ほどたった5キロ税込み5000円程度の銘柄米に、早めに買ってもらおうと500円、値引きするシールを貼り付けていました。

買い物に訪れていた50代の男性は「銘柄米は高いので今は手が出しづらく、うどんなどの麺類の購入に変えることもあります」と話していました。

スーパーマルサンの八木栄樹店長は「売れ行きが鈍い銘柄米も捨てるわけにはいかないので、たとえ赤字になったとしても安く販売していくしかない。店にとっては、コメの仕入れや在庫量をどうするか、難しくなっている」と話していました。

福岡の米穀店 “卸売会社提示の銘柄米価格に変化”

随意契約の備蓄米が放出されて以降、コメの卸売会社が提示する価格に“変化”を感じている米穀店もあります。

福岡県宇美町の石貫徹也さん(55)は、15年前から米穀店を経営しています。今回、同業者4人と共同で、随意契約による備蓄米の売り渡しに申し込み、30トンの調達が決まりました。

いずれも令和3年産のいわゆる「古古古米」で、これまでに取り扱ったことはありませんが、コメ価格の高止まりと品薄状態が続く中、一人でも多くの消費者に安いコメを届けたいと考えています。

一方、石貫さんは、随意契約の備蓄米が放出されて以降、卸売会社が提示する銘柄米の価格が下がっていると感じています。

銘柄米60キロあたりの取引価格は▽ことし1月が4万円余りで、▽ことし3月には4万5000円近くに上昇しましたが、▽先週、卸売会社から連絡を受けた際は一部の銘柄米がおよそ3万5000円に下がっていたということです。

石貫さんは、随意契約の備蓄米が放出されていることで、卸売会社が在庫のコメを早めに売り切りたいと考えているのではないかとみています。

石貫さんは「備蓄米の影響がここまですぐに出るとは思わなかったです。秋には新米もとれるということで、問屋さんが令和6年産のコメの在庫を少しでも早く出したいという感じに変わってきているのだと思います」と話していました。

米どころ 新潟 南魚沼のコメ農家は価格を注視

米どころの新潟県南魚沼市では現在、流通している銘柄米の売れ行きや価格のほか、この秋に収穫する新米の取り引き価格にも影響が出る可能性があるとして、コメの価格の動向を注視する農家もいます。

このうち南魚沼市でコシヒカリを中心に栽培する若手のコメ農家、青木拓也さん(35)は今月5日に田植えが終わり、9日は田んぼに排水などに使う溝を掘る作業を行っていました。

青木さんは収穫したすべてのコメを農協を通さずに直接、卸売業者に販売していて、ことし8月ごろからはこの秋に収穫する新米の価格交渉が本格的に始まるため、市場の取り引き価格の動向を注視しています。

こうした中、青木さんによりますと、卸売業者などの間で行われる「スポット」と呼ばれる取り引きでは、先月下旬ごろから県産の一般のコシヒカリの取り引き価格が下落傾向にあるということです。

青木さんは、随意契約で売り渡された割安な備蓄米の販売が各地で始まる中、現在、流通している銘柄米の売れ行きや価格のほか、新米の取り引き価格にも影響が出る可能性があるとして価格の動向を注視しています。

青木さんは「今のコメの店頭価格は高すぎると思うが、農家にとっては持続的に生産ができる価格で安定することが望ましいので、新米の価格交渉への影響を懸念している。備蓄米と同じ値段で新米を販売するのは難しいので、国にはコメの適正な価格について、消費者の理解が醸成されるよう取り組みを進めてほしい」と話していました。

専門家「需給は緩和する可能性が出てきた」

 

コメの政策や流通に詳しい三菱総合研究所の稲垣公雄研究理事は5キロで税込み2000円前後の備蓄米の販売が始まったことについて「想定以上のスピードで出てきたことは驚きを持って見ている。コメがちゃんと出てきて、コメはありそうだよねということが消費者に分かりやすく伝わった効果は非常に大きかったと思う」と話しています。

そのうえで「今月、売れる分のコメは備蓄米に偏ることが想定され、4500円とか5000円に値付けしていた銘柄米が売れにくくなるが、精米してしまったものなので、なるべく早く売りたいということで、価格を下げる事業者も出てくるのではないか。6月、7月は少し価格が下がるという期待が持てる状況になってきたのではないか」と指摘しています。

また、ことし収穫される新米の価格の見通しについては「各地の農協が農家に支払う概算金がすでに高くなっていて、5キロ4000円以下にはなかなかならないような水準になっている。最初は店頭にもその値段で出てくると思う」と話しています。

一方、稲垣さんは、農林水産省の調査では、いまのところ、ことしの新米の収穫量が、去年より40万トン増える見通しになっていると指摘した上で「見通しどおりになれば、だいぶ需給は緩和する可能性が出てきた。ことしの新米が出たあと、コメがあふれてやっぱり高すぎるよねとなった時に、値下げするかどうかは、卸売業者や小売り業者の経営判断になってくる」と話しています。

小泉農相 “価格の高騰抑え提供 いいニュース”

小泉農林水産大臣は、9日午前、農林水産省で、記者団から「卸売業者の間の取り引きで銘柄米の価格が下落してきているが、コメ全体の値下げにどうつなげていくのか」と問われたのに対し「価格の高騰を抑えて消費者に安心しておコメを提供できる環境に近づけるという観点からはいいニュースで、今後の動向をしっかりと見ていきたい」と述べました。

その上で「必要な水準まで下がっているかと言えば、まだまだ始まったばかりで、しっかりと緊張感を持って、決してスピードを緩めることなく、今週、さらに何ができるかを考えて実行していきたい」と述べました。

一方、政府が輸入するコメのうち、主食用の枠の入札の開始時期については「いままで9月だから9月ということではなく、最大の効果が発揮できるあり方を模索したい」と述べ、これまでの9月から変更することも含め、検討する考えを示しました。

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