北海道名寄市立木原天文台技師の佐野康男さん(45)が超新星を発見し、国際天文学連合から「SN2005gl」と認定された。日本人の天文愛好家が1983年に初めて超新星を発見してから70個目で、佐野さん自身も3個目となる。「北海道に美しい夜空が広がっていることを世界に伝えることができる」と喜んだ。
発見したのは12日午後10時45分で、超新星はアンドロメダ座の棒渦巻銀河「NGC266」に位置する。名寄市内の自宅にある口径28センチの天体望遠鏡を使って観測した。明るさは16.7等級で、肉眼では見えない。同じ超新星は米国のグループも独自に発見している。
超新星は、星が進化の最終段階で大爆発を起こして輝く現象で、年間に1000個程度発生していると推測される。しかし、暗いために観測は難しく、世界中のアマチュア天文家が発見できるのは全体の約1%という。
盆地にある名寄市は大気のゆらぎが少なく、超新星のようなごく弱い光をとらえるのに向いている。
佐野さんは97年と02年にも超新星を見つけ、「活躍する超新星探索者」(国立天文台)として知られる。発見の秘けつについて「毎日観測する。しかし、頑張りすぎない。宇宙のロマンを感じながら楽しむことが大切」と語った。【田中泰義】