テニスの全仏オープン第9日の5日は、女子シングルスで第12シードのマルチナ・ヒンギス(スイス)が6-3、2-6の1セットオールで前日から持ち越したシャハー・ピアー(イスラエル)との4回戦で、最終セットを6-3で奪い、1月の全豪に続く準々決勝進出を果たした。
男子シングルス4回戦は2連覇を目指すラファエル・ナダル(スペイン)が元世界ランキング1位のレイトン・ヒューイット(オーストラリア)と対戦。
女子ダブルスは第5シードの杉山愛(ワコール)ダニエラ・ハンチュコバ(スロバキア)組が準々決勝進出をかけて3回戦に出場。
◇「失うものは何もない」…ヒンギス
19歳の勢いを25歳のヒンギスが押し返した。2日がかりのフルセットの争いを制した元世界女王は「彼女は伸び盛り。前に見たときより進歩していた。負けそうな気もしたけど、準々決勝に進むことができてうれしい」とひと息ついた。
世界ランキングを自己最高の26位まで上げてきたピアーの強打に苦しみ、前日は第1セットを6-3で奪いながら、続くセットを2-6で今大会で初めて失った。日没で持ち越しとなった最終セット。「彼女は乗っていた。持ち越しは自分に有利だった」とヒンギス。それでも序盤は相手のパワーに押され気味で、何度も強烈なフォアのクロスを決められた。
ヒンギスは正確なストロークに時折、ドロップショットを交えて活路を開いた。ネットプレーもしかけて圧力をかけ、ミスを誘った。2-2からラブゲームで相手サーブを破ると、その後はピアーを振り回し、6-3で奪った。
5年ぶりの全仏。かつては世界ランキング1位の重圧の中で戦っていたが「今は失うものは何もない。前進しかない」。初制覇へ、挑戦者がまたひとつ勝ち星を重ねた。(共同)
2006年6月5日 21時42分 (最終更新時間 6月5日 22時57分)