不適正経理などの問題で混乱が続いていた日本スケート連盟は18日、理事会と評議員会を開き、次期会長にスピードスケートの五輪メダリストで参院議員の橋本聖子氏(41)を選出した。五輪競技団体が女性の五輪メダリストをトップに選んだのは初めて。同連盟にとっても初の女性会長となった。任期は7月1日から2年間。
橋本氏は92年アルベールビル五輪女子1500メートルで銅メダルを獲得。冬季五輪4度、夏季五輪にも88年ソウル大会から自転車競技で3度出場した。
また、同日の評議員会では一連の問題に深くかかわった久永勝一郎・元会長を背任、業務上横領容疑などで刑事告訴する方針も承認した。連盟顧問弁護士らと告訴先や容疑などを協議した上で、6月中に告訴するという。
連盟内に設置した調査委員会での調査で、久永氏による国際事業委員会経費の流用や、久永氏が経営する会社の関与が判明。林泰章会長代行(役員改選で副会長就任)は評議員会で、久永氏が国際事業委員の通信・事務運営費として450万円を不正に得たことなどが業務上横領に、また久永氏の会社が02年国際連盟総会(京都)などの記念品購入に介在して転売益1821万円を得たことなどが背任に当たる可能性があるなどと説明した。
林会長代行によると、久永氏は金額が判明した分を同日までに返済し、私的流用は否定している。連盟に対して和解を申し入れているというが、連盟は応じない方針を固めている。【来住哲司、石井朗生】
毎日新聞 2006年6月18日 20時11分