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プール事故:元管理業者証言「固定されぬふたあった」

埼玉県ふじみ野市の市営プールで、小学生がふたの脱落した吸水口に吸い込まれ死亡した事故で、00年にプールを管理した東京都の業者が「点検で全く固定されないふたがあった。全体的にぐらぐらして、固定用の穴にボルトも針金もない所があった」と毎日新聞の取材に証言した。直前の99年は今年度と同じ「京明プランニング」(さいたま市)が管理しており、同社が長期間ずさんな管理を続けた疑いが浮上した。

 同プールは合併前の旧大井町営として86年開業した。92年以降の管理業務は97年、00年を除いて京明が担当。00年に管理した業者は、前年の京明の管理後に引き継いだ。

 この業者によると00年6月末ごろ、水を抜いて開業前の清掃点検をした際、従業員は3カ所の吸水口を見て驚いたという。1カ所に2枚、計6枚のふたの四隅にある24の留め具の穴のほとんどにボルトがなく、針金で代用するか何も留められていなかった。固定されず、下部の留め具のへり上に置かれているふたもあった。

 従業員は町担当者に「ボルトがなく危険」と口頭で報告。担当者からボルトを受け取って、四隅のすべてをボルトで固定した。これらの点検、補修作業に町担当者は立ち会わなかったという。

 今回の事故発生時にボルトがあった穴は全体の3分の1。ネジ穴の位置はふたによって違い、取り付け場所が変わると穴が合わない。00年の業者は「穴が合わないものは、ふたを合わせ直してボルトを付けた」と話しており、ふたの取り違えが01年度以降に起きた可能性がある。

 一方、県警は7日、プール内に落ちていた針金は4日間の実況見分の結果、排水口内の1本のみだったと発表した。京明の現場責任者は脱落したふたは四隅を針金で留めていたと説明したが、事故直後に留め具に付いた1本しか見つからず、残りを探していた。排水口の針金は汚泥の中にあったため古いものとみられ、県警は脱落したふたとは無関係と判断した。【村上尊一】

毎日新聞 2006年8月8日 

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