埼玉県ふじみ野市の市営ふじみ野大井プールで吸水口に吸い込まれて死亡した同県所沢市立小手指小2年、戸丸瑛梨香(えりか)ちゃん(7)の葬儀が6日、同市内の斎場で営まれた。同級生ら約400人が参列し、最後の別れを告げた。
祭壇には、ほほ笑む瑛梨香ちゃんの遺影が置かれた。幼いころから親しかった双子の長沢信吾君(12)と由香里さん(12)が、「私たちの心の中ではずっと一緒だよ。だから寂しがらないでね。私たちとともに元気に大きくなっていこうね」と呼びかけた。同小の大沢栄子校長(57)は「再び家族に笑顔が満ちるよう天国で見守ってくださいね」と涙声で弔辞を述べた。出棺直前には母裕子さん(38)の「瑛梨香」と叫ぶ声が響いた。
葬儀後、父勝博さん(45)と裕子さんは、報道陣の前で心境を語った。勝博さんは用意した紙を読み上げ「宝物のような大事な娘でした。いまでも瑛梨香が起きて『おはよう』といってくれるような気がして、何かの間違いであってくれたらと毎日思っています」と声を震わせた。【村上尊一】
◇瑛梨香ちゃんの両親の言葉
本日は、お暑い中を瑛梨香のために、遠路、ご会葬いただきまして誠にありがとうございました。
瑛梨香は、いつも明るくて友達が多く、誰からもかわいがってもらえる本当に優しい娘でした。また、親思いで、祖父母を大切にする思いやりのある宝物のような大事な娘でした。
そんな我が子が突然このような事故に遭い、とても悲しくて悔しい気持ちでいっぱいです。
どうしてこんな事故が起こってしまったのか信じられない思いです。いまでも瑛梨香が起きて「おはよう」といってくれるような気がして、何かの間違いであってくれたらと毎日思っています。
今後のことについては、まだ考えが及びませんが警察の方々が今回の事故の原因についてきちんと明らかになるように調査されるものと確信しております。
瑛梨香の事故を無駄にしないためにも、そして、私たち家族と同じような思いをする家族を出さないためにも、今後このような悲惨な事故が二度と起こらないように、確固たる防止策が講じられることを切に望んでおります。
この数日間、多くの皆様方から励ましのお言葉、温かいお気持ちを頂きまして本当にありがとうございました。
そして本日は、こんなに多数の方々にあたたかくお見送りいただき、心より御礼申し上げます。
瑛梨香がまだ中で待っていますので、これで失礼させていただきます。ありがとうございました。
毎日新聞 2006年8月6日