自民党津島派の額賀福志郎防衛庁長官が、9月の自民党総裁選に出馬しない方向となった。同派は9日、東京都内の派閥事務所で幹部会を開き、額賀氏を派として擁立するのは困難との認識で一致した。安倍晋三官房長官支持の動きが党内に強まり、仮に出馬しても同派所属議員(74人)全員の支持が見込めないうえ、党員投票による地方票獲得も困難になったためだ。
同派が独自候補の擁立を見送った場合、派内の大半は安倍氏支持に回るとみられる。額賀氏の出馬見送りで「非安倍」勢力が目指した統一候補擁立は困難となり、安倍氏優位に一段と拍車がかかった格好だ。
津島雄二会長が所属衆院議員の意見聴取を進めた結果、安倍氏支持に回った中堅議員や、同派出身の久間章生総務会長らは、強い難色を示し、出馬は得策でないとの見方が派内の大勢となった。額賀氏は10日インドネシアから帰国するが、最終的には派内の大勢に従うとみられる。【西田進一郎、堀井恵里子】
毎日新聞 2006年8月10日