毎日新聞が実施した自民党総裁選の都道府県連アンケートで、国会議員が安倍晋三官房長官支持に雪崩を打つ状況をどう分析しているか聞いたところ、「政策以上に次期選挙を考え、国民的人気を重視した」と見る幹部が半数以上の24人にのぼった。続く「政策本位で支持した」は7人で大きく差が開いた。来年の参院選をにらみ、政策よりも選挙への期待で「安倍一極化」が進んだと党内でも受け止められていることが浮かんだ。
「国民的人気重視」と見るのは東京、神奈川、埼玉、大阪、京都など都市部が目立った。「政策本位」を選んだのは、安倍氏の地元の山口や福島、和歌山などだった。
3人は「人事や選挙での公認など、自分たちの処遇を考えた」ととらえており、回答を保留した三重、鳥取も「政策本位ではないだろう」「処遇を考えている議員もいるのではないか」と記述するなど、ポスト狙いの「猟官運動」と見られている面もある。
次の首相に最も望む政策は、「社会に拡大しつつある格差の是正」が最も多く26人。続いて「財政再建」9人、「アジア外交の立て直し」3人だった。
次期首相が靖国神社を参拝することについては、賛成(21人)が反対(10人)の2倍以上となった。安倍氏が今年4月に参拝したことを公表していないことに関しては、33人が「公表する必要はない」と答え、「公表すべきだ」の7人を大きく上回り、安倍氏の対応が比較的理解されていることを示した。【宮下正己】
毎日新聞 2006年9月7日