13日に行われた構造改革協議会で、選手会の要望は簡単かつ明りょうだった。希望枠撤廃。構造改革協議会で宮本会長はただそれだけをひたすら訴えた。
「球界にとって大変残念なことが起こり、信頼を失い、ファンも離れていってしまう。回復には早急にクリーンな制度にするしかない」。当該球団の西武の赤田、佐藤も同席し、強い決意を持って臨んだ宮本会長は論点を「希望枠の撤廃」に絞ったことを強調した。同協議会でかねて訴えてきた完全ウエーバー制。この日は指名順位ごとに契約金の金額を設定するという提案もした。
選手会側の不退転の覚悟は、FA短縮をシャットアウトしたことに表れる。FA短縮はドラフト改革とともに選手会には譲れない要望。97年10月に10年から9年に短縮された以降も優先的に要求してきた。でも今、求めるべきものは違う。新提案を持ち出し、希望枠存続に固執しなかった巨人には「拍子抜けした」というが、FA短縮をリンクさせる点には「10年先よりも今のことを話したい。FAの話はしないでください」と主張。松原事務局長も「アマ選手の人生を狂わせてしまったのだから、何が最優先なのか分かるでしょう」と畳みかけたという。
撤廃が大半を占めながら、機構側の回答は「白紙」。「その白紙はグレー」と言った宮本会長はこう続けた。「撤廃と聞けなかったのは残念だけど、希望は持っている。ただ、撤廃にならなければ何らかのアクションはあります。ファンも黙っていない」。選手会の姿勢は“撤廃”へどこまでも強硬だった。
スポーツニッポン 2007年3月14日