地球から128億光年離れた宇宙で起きた星の巨大爆発現象(ガンマ線バースト)を、東京大のマグナム望遠鏡と国立天文台のすばる望遠鏡(いずれも米ハワイ州)が相次いで観測することに成功した。12日、各研究チームが発表した。観測された巨大爆発現象の中では最も遠く、約137億年前に誕生した宇宙の初期の姿を解明する手がかりになるという。
巨大爆発は、太陽の数十倍以上の質量を持つ巨大な星が一生を終え、ブラックホールになる時に起きる。その際にガンマ線やX線が放出される。
今回は、日本時間の4日午前、米航空宇宙局(NASA)の衛星が爆発をキャッチ。その12時間後、ハワイ大と東京大の研究チームが、マウイ島にあるマグナム望遠鏡で爆発直後の光が含む赤外線の観測に成功した。
東京工大や同天文台などの研究チームは7日、可視光線をすばる望遠鏡(ハワイ島)で観測。両チームのデータは、爆発が128億光年先で起きたことで一致した。
これまでは、00年にデンマークの研究チームが観測した123億光年先が最も遠かった。【下桐実雅子、元村有希子】
毎日新聞 2005年9月13日 3時00分