アメリカのブッシュ大統領は、被災地ニューオーリンズでテレビ演説を行い、救援対策の遅れについて改めて自らの責任を認めました。
現地時間の午後8時に、わざわざ被災地にまで出向いて国民に向けたテレビ演説を行った背景には、政府への批判が一向におさまらないことに対するブッシュ大統領の焦りがあります。
「9.11の同時多発テロの恐ろしい経験から4年、アメリカ国民は緊急事態に、より有効な対応を求めている。政府がその責務を果たせなかったとき、大統領である私に問題と解決の責任がある」
演説の中でブッシュ大統領は、復旧活動が順調に進んでいることを強調した上で、住宅や医療、教育、再就職などあらゆる分野で国が被災者支援に取り組むほか、来月下旬までに、すべての避難所を解消するのが目標だと述べました。
また、被災地を経済特別区に指定して、産業の再生を支援するなど、新たな復興プランを打ち出しました。
カトリーナ以降、ブッシュ大統領の支持率は41%と、政権発足以来、最低の数字を更新し続け、このままでは対イラク政策や経済政策なども含め、大統領の指導力そのものが問われることになりかねません。
こうしたことから、この日の演説で、国民に向かって自らの責任を認め、復旧に向けての具体的な処方せんを示すことで、形勢の逆転を狙ったものです。