TBSや阪神電気鉄道の大株主の村上ファンドの村上世彰(よしあき)代表は14日、毎日新聞など報道各社の共同インタビューに応え、TBSに対し、保有するプロ野球球団「横浜ベイスターズ」の売却や経営陣による自社株買収(MBO)を提言したことを明らかにした。ただ、TBSの株価が急騰したために、現段階でのMBO実行には消極的な姿勢を示した。同ファンドが同日、関東財務局に提出した株式の大量保有報告書で、9月末時点でTBS株を7.45%保有していることが分かった。投資額は400~500億円とみられる。
村上氏はTBS株を取得後、TBSの井上弘社長と経営についての意見交換を行い、ベイスターズに関し、保有しなくても放映権の長期契約などで、番組制作に支障はないと主張したという。阪神電鉄が保有する阪神タイガースについては「ファンを取り込む方が利益につながる。500億円ぐらいの価値はある」として、保持継続の考えを示した。
また、阪神電鉄株取得をめぐっては「今までの投資とは違う。基本的な方針を示して経営者がどこまで受け入れてくれるか。とことんやりたい」と述べ、経営権を直接握らないものの短期売却せず、2~3年間は経営にかかわる意向を示した。【後藤逸郎】