米ソニーBMGミュージックエンタテインメントは2日(米国時間)、コピー制限型の音楽CDがウイルスに悪用される恐れがあることに対応し、修正プログラムの配布を開始した。同社は「安全を脅かすことはない」と強調しているが、配慮が足りなかったことは認めた格好だ。
このCDは、パソコンで再生すると特殊なソフトがインストールされ、それがウイルスの隠れみのになりかねないと批判されていた。ウイルス対策会社などが1日、ブログで指摘して発覚、米ワシントン・ポスト紙など大手マスコミも報じる事態となり、対応を余儀なくされた。
修正プログラムは、このCDを説明するウェブサイトで、ダウンロード配布されている。「安全性を損なうことはないが、利用者の不安を和らげるために配布する」などと、短いコメントが書かれているだけで、詳しい説明はない。
CDと一緒にインストールされるソフトは、ユーザーには見えないことが問題になっている。ウイルスに、その仕組みを悪用されると、ウイルス対策ソフトで検知できなくなるからだ。修正プログラムは、この見えなくなる機能を停止する。
ただ、ソフトが見えるようになるだけで、削除はできない。ユーザーが手作業で削除するのは難しく、下手をするとCDドライブが動かなくなる。このためウイルス対策会社は、全自動で削除できるツールも用意すべきだと訴えている。
問題のソフトは、気づかないうちに入り込み、簡単には削除できない点で、「形式的にはウイルスそのものだ」という厳しい声も上がった。ソニーBMGは修正プログラムの説明文で、「不正プログラムには当たらない」と反論している。【南優人/Infostand】
修正プログラム
http://cp.sonybmg.com/xcp/english/updates.html