シドニーFCのFW三浦知良(38)がオーストラリア(A)リーグ最年長ゴールを狙う。カズは8日、シドニーに到着し、市内のホテルで記者会見に臨んだ。リトバルスキー監督は13日クイーンズランド戦での先発起用に前向きな発言をするなど期待の大きさをうかがわせた。またリーグ戦での背番号21、12月世界クラブ選手権では愛着ある11番を背負うことも正式発表された。
朝から雨模様だったシドニーの空に突然、光が差した。高層ホテルの展望バーに並んだひな壇でカズの入団会見が始まろうとする、まさにその瞬間だった。シドニーFC関係者から思わず「これはカズ・パワーだ」との感嘆の声が漏れた。そんな中、主役は「経験とモチベーションのすべてを注ぎ込みたい」。シドニーでの第一声は天気のように晴れやかだった。
また1つ、新たな勲章を視野にとらえた。Aリーグ史に名を刻む最年長ゴールだ。英リーズでも活躍したパースFWディーンの37歳が最年長記録で、38歳9カ月のカズが決めれば大幅な更新となる。今季は神戸時代に史上2人目の13年連続ゴール、J2横浜FC移籍後にJ2最年長記録を更新。異国でのメモリアルゴールはさらに格別のはずだ。
日本から約9時間のフライトも到着1時間前まで睡眠にあて、疲労感はない。専属トレーナーも帯同、遠征用ベッドから映画ゴッドファーザーのDVDまで、ピッチに集中するための一式を持ち込んだ。この日は21番の新ユニホームのお披露目と、12月の世界クラブ選手権では11番を背負うことも正式決定。気分は高まった。
会見では地元メディアからも「カズダンスを踊るのか?」と質問されるなど注目、知名度も抜群だった。久々に再会したリトバルスキー監督は「まだ分からないけど、考えている」と13日クイーンズランド戦での先発起用も示唆した。9日、いよいよチーム練習に初合流する。
≪シドニーでも「授業」を≫カズは神戸時代から地元に愛されるクラブつくりを目指し、地元の小学校で「特別授業」を行ってきた。シドニーでも「時間があればぜひ、クラブとスケジュールを調整したい」と打ち明けた。さらにシドニーFCのティム・パーカー会長は「(世界クラブ選手権が行われる)日本に出発する前に、日本人学校との交流を考えている」と話した。