世界初となる小惑星の岩石採取を目指す宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機はやぶさが19日夜、小惑星イトカワへの着地に向けた降下を始めた。はやぶさは20日午前6時ごろイトカワ表面に着地し、岩石採取に挑戦する。地球以外の天体から鉱物を持ち帰ることができれば、米アポロ計画の「月の石」以来の快挙となる。
JAXAは当初、19日午後に岩石採取を予定していたが、地球からはやぶさへ信号を送る通信局の都合で半日遅らせた。
はやぶさは表面まで40メートルに近づくと、目印のボール(直径約10センチ)を投下。このボールを搭載するカメラでとらえながら自律航行し着地する。ボールの中には世界88万人の名前を刻んだシートが入っている。岩石採取に成功すれば、07年6月ごろに帰還する。
JAXAによると、イトカワの表面は岩だらけで変化に富むため、自律航行するはやぶさが障害物を察知し、岩石採取に挑戦せずに上昇する可能性も大きいという。その場合は25日に再度挑戦する。【永山悦子】