【テヘラン=工藤武人】サッカーのワールドカップ(W杯)ドイツ大会に出場するイランで、教育省が全国の中学と高校に、例年より2週間ほど期末試験を前倒しし、6月9日のW杯開幕までに終わらせるよう指導している。
イランではサッカーが国民的スポーツ。2大会ぶり3度目の出場を果たした代表チームの試合には、老若男女を問わず国中が熱狂することが予想され、政府が子どもたちのテレビ観戦をアシストした格好だ。
2学期制のイランでは、中高の期末試験は通常、5月20日過ぎから1か月間にわたって行われる。
だが、教育省は今年に限っては、試験期間を決める州政府に対し、W杯開幕までに試験を終えるか、終わらない場合でも、大会中は難易度の低い試験だけを行うよう指導しているという。同省当局者は「子どもたちには、一生懸命勉強した後で、心おきなくW杯を楽しんでもらいたい」と話している。