製薬会社「武田薬品工業」(大阪市)の工場建設に絡み、大手ゼネコン「鹿島」(東京都港区)と空調設備会社「新菱冷熱工業」(新宿区)など数社が、架空発注を装うなどして計約9億円のリベートを武田薬品工業元副社長の関係先に支払っていたことが、東京国税局の税務調査などで分かった。
鹿島など受注各社は、国税局から重加算税を含めて計約5億円を追徴課税(更正処分)を受けたとみられる。
関係者などによると、鹿島は03年、武田薬品工業の山口県光市に新設する工場の工事を約100億円で受注し、新菱冷熱工業は鹿島の下請けとして空調工事を約14億7000万円で受注している。国税局は、鹿島や新菱冷熱工業などが「委託費」などの名目で支出した約9億円は、実態の伴わないもので、元副社長の関係先に受注謝礼や受注工作のために使われたリベートであると認定し、追徴課税したという。
鹿島は「税務については答えられない」、新菱冷熱工業は「取材には応じられない」、武田薬品工業は「正確な情報を把握しておらず、コメントを控える」と話している。【高島博之】
毎日新聞 2006年7月4日 10時57分