岩手県洋野(ひろの)町種市の山林で、近くに住む会社員、上野紀子さん(52)と会社員の二女友紀さん(25)の他殺体が見つかった事件で、県警久慈署捜査本部による司法解剖の結果、紀子さんの死因は首を絞められたことによる窒息死とみられることが26日、分かった。紀子さんの頭部には殴られたような外傷があった。捜査本部は同日、友紀さんの遺体も司法解剖し死因を調べ、紀子さんの死体遺棄容疑で逮捕した青森県八戸市沢里、塗装業、若林一行容疑者(29)を殺人容疑でも追及する。
調べでは、2人の遺体は上野さんの自宅から南西へ約5キロの山林に放置されていた。いずれも毛布のような布に包まれて投げ捨てられていた。捜査本部はこの布が、上野さん方にあったものか、若林容疑者が事前に用意した物か調べている。
これまでの調べでは、若林容疑者は19日、上野さん方に窃盗目的で侵入、同日夜、上野さんの母娘を殺害したうえ遺体を遺棄した疑いがもたれている。上野さん方の裏庭には母娘の物と下着など衣類が落ちていた。若林容疑者は母娘の持っていた鍵を奪って自宅や2人の車を施錠しており、捜査本部は事件の経緯や動機について詳しく調べている。【安田光高、山口圭一】
毎日新聞 2006年7月26日 11時39分