富士山の砂れき地に緑を取り戻すため苗木を植える「植栽富士登山」(三井物産協賛)が29日、静岡県御殿場市の富士山南東斜面で開かれた。親子連れなど約40人が約50平方メートルにバッコヤナギなど6種類を植えた。
毎日新聞の「富士山再生キャンペーン」の一環で、この日が初日。約10年植栽活動を続けている市民団体「富士山ナショナル・トラスト」(会員約400人)が協力した。増田真助会長(72)の指導で、参加者は午前中にふもとで竹さくを作り、午後から斜面に苗木を植え、土をかぶせた。
植栽場所は、1707年の宝永噴火でつくられた大砂れき地(幅約4キロ、長さ約1キロ)。雪崩とともに凍った土砂も崩れ落ちる「雪代(ゆきしろ)」の多発地帯で、苗木が育てば表土流出に歯止めがかかり、緑が戻ると期待されている。
家族3人で参加したさいたま市の小学5年、芦川雄輝君(11)は「力仕事で大変だったけど、苗木の成長が楽しみ」と声を弾ませた。
植栽は8月2~3日(1泊2日)と8日(日帰り)にも。問い合わせは毎日新聞社富士山再生キャンペーン事務局(03・3212・2583)。【工藤哲】
毎日新聞 2006年7月29日