経営破たんした通信ベンチャー「平成電電」の事業を巡り、被害対策弁護団は30日、一般投資家から約490億円の出資金を集めた2社の元社長(54)について、破産を申し立てたことを明らかにした。弁護団の調査で、出資者への配当停止後も3億円を超す出資金が、元社長経営の別会社に支払われていた事実が判明した。資産の散逸を防ぐための措置という。
2社は、平成電電の事業に匿名組合契約で出資を募った「平成電電システム」と「平成電電設備」=いずれも6月に破産手続き開始。03年9月~05年9月、約1万9000人から出資金を集めたが、平成電電が経営破たんを発表した05年10月以降、配当を停止した。
ところが弁護団によると、2社に社員はおらず、元社長が経営するコンサルタント会社に月約5150万円で業務を委託。配当停止後も、出資金の中から3億円を超す委託料がコンサル会社に入金されていた。また、2社はコンサル会社内に本店を置き、月約100万円の賃料を支払っていたという。【川辺康広】
毎日新聞 2006年7月31日