【台北=共同】台北郊外で起きた復興(トランスアジア)航空機墜落事故で、台湾の当局は5日、機体が突っ込んだ基隆河で行方不明者の捜索を継続した。エンジントラブルがあった可能性があるとみて高度や速度を記録したブラックボックスの解析を行い、事故原因の究明を本格化させた。
当局は同日、乗客乗員58人のうち死者は5人増え31人となり、依然、12人の行方が分かっていないと発表した。負傷者は搭乗者の15人と、墜落直前に機体と接触したタクシーの乗客と運転手の2人の計17人。
当局は水没した機体を川岸に引き揚げて作業を続けたが、墜落時に機体から投げ出された可能性もあるとみて、周囲も捜索した。
復興航空によると、事故機は昨年4月に製造されたばかりの双発プロペラ機ATR72。購入後にフランスから台湾に飛行した際、左翼のエンジンが故障してマカオでエンジンを交換していた。
同機は離陸直後に本来のコースを大きく外れて低空飛行。墜落直前には急激に左翼が下がって高速道路にぶつかり、基隆河に墜落した。地元メディアによると、当局は左翼のエンジンに問題がなかったかを重点的に調べる方針。
航空当局はまた、復興航空のATR72が昨年7月にも澎湖島で墜落事故を起こしていることを重視、台湾にある全22機のATR72を飛行停止にして臨時点検するよう航空会社に命じた。