昭和シェル石油は10日、亀岡剛執行役員(58)が社長兼グループ最高経営責任者(CEO)に昇格する人事を発表した。香藤繁常会長兼グループCEO(67)は顧問に就く。昭シェルは出光興産とM&A(合併・買収)交渉をしている。同日記者会見した亀岡氏は「色々な可能性を検討する」とし、競争力強化に向け他社との連携を強める考えを示した。
3月26日に開く株主総会後の取締役会の決議を経て就任する。トップ交代は香藤氏が会長に就いた2009年以降6年ぶり。社長職は13年から空席だった。
亀岡氏は石油事業の最高執行責任者(COO)を務める。販売部門が長いが、海外や人事部門を含め幅広い経験を持つ。亀岡氏は「石油業界は需要減少など厳しい環境にある。社員や特約店が持つ現場力を生かして発展をめざす」と述べた。出光との交渉については「他社との差別化戦略はどんな企業も考えていることだ」とした。
香藤氏は精製・物流などの合理化で石油事業の体質強化を進める一方、太陽光発電パネル事業など新しい収益基盤を育てた。今後は顧問として、必要に応じ助言するなど亀岡氏を支える。