三菱マテリアルは10日、竹内章副社長(60)が4月1日付で社長に昇格する人事を発表した。矢尾宏社長(68)は代表権のある会長に就く。竹内氏は危機管理担当の役員として、2011年の東日本大震災や、14年の同社四日市工場(三重県四日市市)の爆発死亡事故に対応してきた。
竹内氏は入社後、法務や総務人事などを担当してきた。海外事業の経験もあり、1986年の米シルテックの買収や96年のインドネシア銅製錬所の立ち上げなど、同社の海外の主要プロジェクトの契約や企画業務に携わってきた。
矢尾氏は竹内氏を後継者に指名した理由について、危機管理対応や海外経験の豊富さを挙げ、「経験や実行力など総合的に判断した」と説明した。竹内氏は「安全管理体制を強化し、アジアを中心とした海外市場の開拓を進める」と意気込みを語った。
矢尾氏は10年に社長に就任し、日立ツールの買収など持続的成長のための戦略投資やグローバル競争力の強化を進めてきた。
竹内 章氏(たけうち・あきら)77年(昭52年)京大経卒、三菱金属(現三菱マテリアル)入社。09年常務執行役員、14年取締役副社長。大阪府出身。60歳
(4月1日就任。矢尾宏社長は代表権のある会長に就く)