本を買う際にインターネットの通信販売をよく使うのは40~50代で、10代は「リアル書店」好き――。日本通信販売協会が実施したアンケートで、こんな結果が出た。協会担当者は「ネットに親しんでいるイメージがある若年層のネット利用が少ないのは意外だ」と驚いている。
アンケートは昨年9月、全国の10~60代の千人を対象に実施。過去1年間に本や雑誌を買ったと答えたのは715人。年代別に購入先(複数回答)を尋ねたところ、ネット通販の利用率が最も高かったのが40代で58%、次いで50代の53%だった。10代でネット通販を利用すると回答したのは36%で、60代の40%よりも少なかった。
逆に、書店を利用すると答えたのは10代が最も多く83%に上った。最も少なかった50代は64%にとどまった。
ジャンル別では、ベストセラーや初めて読む作家の本を買う際に書店がよく使われる一方、シリーズ本をまとめて購入したり、中古本を買ったりする場合はネットの利用が多かった。
タブレットやスマートフォンで読む電子書籍は、全体を通じ12%が購入したと答え、年代別では20代の15%が最も高かった。
約430の出版社でつくる日本書籍出版協会(東京)は、40~50代に目立つネット利用を「仕事や育児などに忙しい世代で、書店に寄る時間がないのだろう」と分析。「10~20代はクレジットカードを持っていない人も多く、ネット上で決済ができないため通販を利用しづらい。財布に余裕がない年齢でもあり、書店で実物を見て慎重に選んでいるのでは」と推測している。〔共同〕