【コペンハーゲン=共同】「表現の自由」を語り合う集会会場のカフェに多数の銃弾が撃ち込まれ、パニックに陥った聴衆は一斉に身を伏せた。続いてシナゴーグ(ユダヤ教会堂)付近で銃撃が発生。「外に出るな!」と警官が叫んだ。14~15日にデンマーク・コペンハーゲンで起きた銃撃事件は、1月のフランス週刊紙銃撃テロの悪夢をよみがえらせた。
現地からの報道では、カフェに向けて発射された銃弾は約30発。集会での発言を遮るかのように突如、銃声が響き渡り、目撃者は「数分間に多数の銃弾が発射された」と証言した。標的だったとみられるスウェーデン人の画家ラーシュ・ビルクス氏はAP通信に「最初はパニックが起きた。聴衆はテーブルの下に身を伏せた」と述べた。
警察は現場付近を封鎖し大規模捜索に着手したが、その数時間後、コペンハーゲン中心部にあるシナゴーグで新たな銃撃事件が発生。英メディアによると、シナゴーグ周辺では警官が「屋内にとどまり、窓を閉めろ」と呼び掛け、住民らは流れ弾を恐れて室内で息を潜めた。
警察は監視カメラの映像や、容疑者を乗せたタクシー運転手の証言を手掛かりに行方を追い詰め、15日未明に男を射殺。何度も続く銃声に「花火かと思った」と話す住民も。中東、アフリカ系住民が多く暮らす現場一帯は警察車両が続々と集まり、騒然となった。