これまで女性活躍推進が遅れてきたのは、成果があがるまで粘りづよく継続してこなかったからだと思います。それに加えて、常識と思われていたことに、いくつか大きな誤りがあったからではないでしょうか。本連載では、まず、女性活躍推進の常識と思われているいくつかの論点について、明確に否定するところからスタートしたいと思います。
ロールモデル探しは誤り
女性の管理職が少ない企業に、なぜ女性管理職が少ないのかを尋ねると、「女性本人が管理職になることを希望しないから」という回答が必ず出てきます。そして働く女性に「昇進したくない理由」を尋ねると「家庭との両立がたいへんだから」「責任が重くなるから」という回答とともに「周囲に同性の管理職がいないから」という理由が上位にあがってきます。
女性が管理職を目指さない理由
企業のダイバーシティ担当の方々と話していても、「わが社には、女性社員がお手本にできるロールモデルがいない」という話は、頻繁にでてきます。そして、ダイバーシティ担当や人事の担当者は、女性社員のロールモデルとなる人を探すことや、そうしたロールモデルの人と若手社員が出会う場を設計することに一生懸命です。
ですが、働く女性は、本当にそんなにもロールモデルを求めているのでしょうか。そして、ロールモデルがいないと、昇進はそんなにも難しいものなのでしょうか。まずはこの問題を考えてみたいと思います。