海の事件事故を海上保安庁に通報する「118番」。2016年は全国で42万件あったが、いたずらや間違いが全体の98・7%を占めた。とくに北海道で間違い電話の割合が飛び抜けて高い。いったいなぜなのか。間違いが多いのは例年のことで、海保は対策に頭を抱えている。
16年の118番通報のうち、有効なものはわずか1・2%の5293件。それ以外は、無言電話約38%▽すぐに切る約30%▽間違い約26%▽いたずら約4%――だった。これらは00年の118番導入当初からは半減したが、前年も同程度。約8割が有効通報の110番や、119番と比べ圧倒的な有効率の低さだ。
地域別に見ると、北海道を管轄する第1管区で間違い電話の割合が突出し、約59%を占めた。札幌市の市外局番が「011」のため、外線を「0」発信でかけなければならない電話でその「0」を押し忘れ、「118」にかかってしまうケースが多いようだ。なじみが深い警察と消防に比べ、118番の認知度が低いことも間違える要因、と海保はみる。
担当者は「人命救助につながる貴重な通報も多い。無効な電話はその邪魔にもなる。札幌へ電話する人をはじめ、広く118番を周知したい」と話す。
いたずら電話については事件として立件することも含め、厳しく対応する方針だ。(伊藤嘉孝)