9日午前の東京外国為替市場で円相場は3日続落した。12時時点では1ドル=120円89~91銭近辺と前週末6日の17時時点に比べ79銭の円安・ドル高水準で推移している。6日発表の2月の米雇用統計が米労働市場の力強い回復を示す内容だったことで、同日のニューヨーク市場で円売り・ドル買いが優勢だった流れを引き継いだ。東京市場でも米連邦準備理事会(FRB)が年央にも利上げするとの観測から円売り・ドル買いが優勢だった。10時前の中値決済に絡む国内輸入企業の円売り・ドル買いも円の重荷となった。
円は下げ渋る場面もあった。日経平均株価が大幅に下落して始まると低リスク通貨とされる円に買いが入った。
9~12時の円の安値は120円93銭近辺。6日のニューヨーク市場では121円29銭とほぼ3カ月ぶりの水準まで円安・ドル高が進んだが、東京市場では今のところ121円台を付けていない。高値は120円62銭近辺で、値幅は31銭程度だった。
円は対ユーロで大幅に反発した。12時時点では1ユーロ=131円08~12銭近辺と同1円32銭の円高・ユーロ安水準で推移している。日本時間早朝には一時130円71銭近辺と、1月26日以来ほぼ1カ月半ぶりの円高・ユーロ安水準を付けた。ユーロが対ドルで大幅に下落した流れが、円の対ユーロ相場に波及し円買い・ユーロ売りが優勢だった前週末の海外市場の流れを引き継いだ。
ユーロは対ドルで大幅に4日続落した。12時時点では1ユーロ=1.0841~45ドル近辺と同0.0183ドルのユーロ安・ドル高水準で推移している。2月の米雇用統計を受けて対ユーロでもドル高が進み、日本時間早朝に一時1.0822ドル近辺と、2003年9月4日以来ほぼ11年半ぶりのユーロ安・ドル高水準を付けた。ただ東京市場では新規の取引材料に乏しく、安値圏でもみ合う展開となった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕