【シリコンバレー=兼松雄一郎】米アップルは9日、米サンフランシスコで新製品発表会を開き、腕時計型ウエアラブル端末「アップルウオッチ」を日米中などで4月24日に発売すると発表した。18金を使った上位モデルの価格は1万ドル(日本では128万円)以上に設定した。ウエアラブル製品を宝飾品の価格帯で投入するIT(情報技術)企業は初めて。
4月10日から予約を受け付ける。ステンレス製の通常モデルは549ドル(日本では6万6800円)から、スポーツ仕様は349ドル(同4万2800円)からで、既存の腕時計型端末の倍以上の価格に設定した。
デジタル製品とジュエリーを融合させた「機能性の高い宝飾品」という新分野の開拓を狙う。韓国サムスン電子や米インテルなどもファッションブランドとウエアラブル端末を開発しているが、ジュエリーのような価格帯や販売手法は採っていない。
アップルの新製品「アップルウオッチ」(9日、サンフランシスコ)=AP
スマートフォン(スマホ)「iPhone」と連動して使う付属品の位置づけで、レジでの支払いや、ホテル、自動車のカギの代わりとしてかざすだけで瞬時に認証される機能を持つという。注目されていた電池の持続時間は通常で18時間と、他社製品に比べやや短めとなった。
アップルは同時に米ケーブルテレビ大手HBOとの提携も発表した。同社独自のネット配信を4月からアップルのサービス向け限定で始める。テレビ向け配信端末「アップルTV」の価格を3割下げ、69ドルとした。薄型化し、電池の持続時間を延ばしたノートパソコン「MacBook」の新モデル、医療機関が研究データ収集にiPhoneを使えるようにする仕組みも発表した。