小中学校の教職員らに現金を要求する不審な脅迫状が届くケースが、45都道府県で少なくとも2千件以上確認されたことが12日、分かった。北海道や宮城、埼玉などでは体罰などへの報復をほのめかし、仕返しを中止する見返りに現金300万円を要求する内容で、他も同一とみられる。
文部科学省は12日までに、各教育委員会に脅迫文の内容を周知するとともに本人や家族が対応しないよう注意喚起した。教員の住所録が流出した可能性があり、教委側は警察に相談するなど対応に当たっている。
最も多かったのは千葉県の523件で、埼玉県の338件、大分県の160件と続いた。
宛先は小中学校の教員が多いが、事務職員なども含まれる。千葉県の担当者は「故人や退職者にも届いていることから、住所録が悪用されたとすれば古いものではないか」と推測している。
札幌市に届いたのはA4判1枚で「おまえは教え子の人格を侮辱し、家族が復讐(ふくしゅう)の依頼をしてきた。300万円支払えば中止する」といった内容。消印は徳島市内の郵便局で、送金先としてタイ国内の住所が記載されていた。宮城県や愛知県などに送られたものと同一の文面だった。
埼玉県や神奈川県教委によると、封書で11日前後に届いた。他もこの前後に届いたとみられる。〔共同〕