国際的な防災協力を話し合う第3回国連防災世界会議は15日、仙台市で2日目の討議を進めた。山谷えり子防災相は会議出席のため中国の閣僚として3年ぶりに来日した防災担当の李立国・民政相と約25分間会談し、防災協力の推進で一致した。安倍晋三首相はタンザニアのピンダ首相ら途上国首脳と相次ぎ会談し、国連改革などでの協力を呼びかけた。(関連記事を社会面に)
中国の閣僚の来日は2012年4月の蔡武文化相(当時)以来。昨年11月の日中首脳会談を受けて日中両国の対話の機運が高まりつつあり、今回の来日もその一環と位置付けられる。
山谷、李両氏は会談で、双方の防災面の取り組みを評価し、協力を深めることを確認した。山谷氏が15年中に日本で開催予定の日中韓3カ国による防災担当閣僚級会合への参加を呼びかけると、李氏は「国内の業務があり(参加は)難しいかもしれない。しかるべき者を出席させたい」と述べた。
会談後、山谷氏は記者団に「非常に有意義だった」と語った。日中関係については「今日はやり取りはなかった。防災関係の連携をこれからも進めていく」と述べるにとどめた。
安倍首相はピンダ氏のほか、ジンバブエ、ミクロネシア、カンボジア、キリバスの首脳と会談した。14~15日の2日間で会った首脳は約10カ国に上る。潘基文(バン・キムン)国連事務総長ら国際機関幹部とも積極的に会い、国際社会での日本の協力方針を強調した。
岸田文雄外相も15日に潘氏と会談したほか、ケニアやネパール、マラウイなど途上国の外相らと相次ぎ意見交換した。同日午後に開いた国連防災世界会議の閣僚級会合では、安倍首相が14日に表明した防災面での日本の貢献策を踏まえ「災害に強い世界に向けて国際協力を推進する」と訴えた。