大塚家具(8186)の経営権を巡り、大塚久美子社長と父親で筆頭株主の大塚勝久会長との間で攻防が激しさを増している。同社は16日、議決権行使助言最大手の米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)と同業の米グラス・ルイスが、会社提案に賛成する意見を表明したと発表した。久美子社長が示した小売業の専門家などを社外取締役に選任する提案に関し、ISSがリポートで「会社提案の取締役候補者が(大塚会長の)株主提案の取締役候補者より充実した経験を有する印象は拭いがたい」などと指摘したとしている。
一方、勝久会長側は16日、ISSのリポートに対する反論を公表した。会社提案の社外取締役候補について「独立性に疑義がある」と指摘。ISSには「コーポレート・ガバナンス評価における重大な事実誤認」があるとした。久美子社長が在任中に自己資本利益率(ROE)を改善させたとの分析内容を巡っては「(今年の総会からROEが5年平均で5%未満の企業に対し、経営トップの取締役議案選任の反対を株主に勧める)ISSが定めるROE基準を満たさない」などと反論。「ISSに対してリポート内容の早急な修正を強く求める」と主張した。
両氏は店舗運営の手法などを巡って対立。お互いの退任を求める人事案を出して正当性を主張しており、27日の定時株主総会に向けて委任状争いが激化している。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕