妻昭恵氏が新設される小学校の名誉校長を務めていたことが、異例の手続きに影響を与えたのではないか――。学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題をめぐる6日の参院予算委員会の審議で、安倍晋三首相は「(役人が)忖度(そんたく)した事実がないのに、(あると)言うのは典型的な印象操作だ」と述べ、野党側の指摘を強く否定した。
森友学園問題
民進党の福山哲郎氏の質問に答えた。答弁が長くなり、途中で山本一太委員長から「総理、簡潔にお願いします」と求められる一幕もあり、福山氏は「私は(質問で)『昭恵夫人は被害者かもしれない』と申し上げ、犯罪者扱いなんかしていない。何をそんなムキになっているのか」と指摘した。
答弁で、首相は「法的に正しい根拠を持っていれば、私も妻も関係ないじゃありませんか。さらに私も妻も(財務省)理財局長等に(国有地売却に絡む話を)言っていないのに、名誉校長に安倍昭恵という名前があれば印籠(いんろう)みたいに恐れ入りましたとなるはずがない」と反論。山本委員長が簡潔な答弁を促した後も「私と妻がまるでかかわっているかのごとく、まるで大きな不正、犯罪があったかのごとく言うのは大きな間違いだ」と続けた。
福山氏は質問で「昭恵夫人もかかわっていない、ひょっとしたら被害者かもしれないと考えたいが、(売買手続きの遅れで)役所は(開校)延期になったら、首相に恥かかせることになると考える。そういう状況を作ったこと自体が問題ではないか」とたずねていた。(南彰)