16日前場中ごろの東京株式市場で、日経平均株価はじり高となった。上げ幅を一時100円近くまで拡大し、1万9300円台半ばまで水準を切り上げる場面があった。企業業績の拡大傾向を背景に相場の先高観は強く、投資家の間で運用リスクをとる動きが加速。買いの勢いがじわりと強まった。JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も堅調な値動きを続けている。
春季労使交渉が佳境を迎える中、各紙報道で賃上げが浸透している様子が伝わってきた。賃上げにより個人消費が勢いを取り戻すとの連想が広がり、投資家心理が強気に傾いた。
10時現在の東証1部の売買代金は概算で7015億円、売買高は6億1048万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1015と、全体の5割強を占めた。値下がりは674、変わらずは176だった。
3大銀グループの三菱UFJや三井住友FG、みずほFGがそろって上昇。再生医療関連の工場を建設すると伝わったアイロムHDの上げが目立ち、子会社がインターネット検索大手グーグルと提携したと発表したスクエニHDも高い。一方、洋ゴムが大幅安。ソニーが下げ、武田やエーザイが売りに押されている。
東証2部株価指数は続伸。ラオックスやOakが上げ、朝日インテクやアートSHDが下げた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕