財務省が18日発表した2月の貿易統計速報(通関ベース)で、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は4245億円の赤字だった。赤字は32カ月連続となったが、赤字額は前年同月から47.3%減少した。米国への自動車の輸出が好調だったほか、円安も受けて輸出額は2.4%増えた。一方で、輸入額は原油安の影響が大きく3.6%減少した。
前年同月と比べた赤字額の減少は5カ月連続で昨年12月から5割前後の減少幅が続いている。
輸出額は5兆9410億円で、6カ月続けて増えた。米国向けの自動車のほか台湾やベトナム向けの電子部品が好調だった。ベトナム向けは金属加工機械も堅調だった。
輸出数量は2.1%減と3カ月ぶりに減少した。ただ、外貨建て取引の基準となる円相場の公示レートが1ドル=118円12銭と前年比14.9%の円安で、数量減を補って金額はプラスになった。
輸入額は6兆3656億円で、2カ月連続で減った。原油や石油製品、液化天然ガスの減少が目立った。原油の円建ての輸入通関単価は前年より48.8%安かった。輸入全体の数量は4.5%増えたが、金額は減った。
主な国・地域別の貿易収支をみると、米国とは6316億円の黒字で、額は前年から30.9%増えた。自動車のほか建設用機械や自動車部品の輸出が増えた。
アジアとは1500億円の赤字で、2月としては過去最大の赤字額だった。このうち中国との貿易赤字額も2月として過去最大だった。例年、中国からの輸入額は春節(旧正月)の影響で減る傾向にあるが、今年は時期が遅かったため影響があまり表れず、輸入額が膨らんだ。