石屋製菓(札幌市)は26日、「十勝おはぎ」など和菓子製造・販売のサザエ食品(札幌市)の道内事業を6月1日付で買収すると発表した。サザエ食品は首都圏の菓子販売事業が振るわず、道内事業が堅調なうちに分割・譲渡することにした。石屋は和菓子分野の進出へサザエのブランド力を生かせると判断した。
石屋製菓が24日に「新サザエ食品」を設立した。新会社の社長には石屋の前社長で取締役相談役の島田俊平氏が就いた。買収額は非公表だが、札幌市や池田町の工場の従業員、道内72店の店員の雇用をすべて引き継ぐ。石屋は洋菓子が中心のため自社ブランドとは完全に分ける方針で、共同仕入れや商品開発は今のところ計画していない。
サザエ食品は1970年の設立。73年に首都圏に進出し百貨店内などに40店以上を出したものの、不採算店が多く、約30店まで減らした。収益改善の見通しが立たないため、首都圏事業は分割と同時に、かつてのれん分けした同名の姉妹会社、サザエ食品(兵庫県西宮市)に売却する見通し。