切り餅を形が崩れないように焼き上げる切り込みの特許権を侵害されたとして、包装餅業界2位の越後製菓(新潟県長岡市)が、業界トップの佐藤食品工業(新潟市)に約19億1千万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁(東海林保裁判長)は11日までに、佐藤食品に約7億8千万円の支払いを命じた。
越後製菓の同じ特許を巡っては、2012年9月に「サトウの切り餅 パリッとスリット」など5商品について佐藤食品の敗訴が最高裁で確定。東京地裁は今回、少なくとも20商品で特許権を侵害したと認めた。
東海林裁判長は判決理由で、これらの商品に切り込みが入っていることや、焼いた際の形の変化が似ていると指摘。佐藤食品は、越後製菓が特許を出願した02年10月31日より前に、切り込みが入った切り餅を販売していたと主張したが、「出願前には切り込みの効果を確立できておらず、発明を完成させたとは認められない」と退けた。
佐藤食品は「控訴するかどうかを含め協議する」とコメントした。〔共同〕