5年半に及ぶ「平成の大修理」を終えた世界遺産・国宝の姫路城大天守(兵庫県姫路市)の一般公開が27日、始まった。開門を前に長い列をつくった観光客らは、よみがえった「白鷺(しらさぎ)城」の美しさに感嘆の声を上げ、カメラやスマートフォンにさっそく城の姿を収めていた。
修理は2009年10月に着工。屋根瓦がふき替えられ、しゃちほこも新調された。屋根瓦のつなぎ目や外壁などにしっくいが塗り直され、城は純白の姿を取り戻した。
大天守に入るゲートの前には観光客ら1200人が並び、午前8時の開門を待ちわびた。
前日から並んで一番乗りした同市の高校2年、中村智洋さん(17)は、開門前に姫路城管理事務所から第1号の認定証を受け取り、「(城は)地元の誇り。1番になれてとても幸せです」と笑顔を見せた。
東京都大田区の小学5年、内海凌介君(11)は母親の綾さん(42)と一緒に訪れた。城好きの凌介君は「天守が残っている城は少なく、本で見るより内部を見られて当時の様子を実感できた」と目を輝かせた。
大阪市平野区の高校3年、大門竜太さん(18)は「天守に上ってみて、城全体の大きくて優雅な姿がよく分かった。しっくいもきれいだった」と感激した様子だった。