世界遺産の姫路城=2016年3月撮影
法人税2800万円を脱税したとして、大阪国税局が、兵庫県姫路市の建築・左官会社「真改(しんかい)工業」と前社長ら2人を法人税法違反の疑いで神戸地検に告発したことがわかった。追徴税額は重加算税を含め約3800万円とみられ、大部分は納付済みという。同社は世界文化遺産の姫路城で2009~15年に行われた「平成の大修理」で補修に携わっていた。
関係者によると、高嶋靖生(やすお)前社長(51)と、妻で関連会社の高嶋由美子社長(49)は、15年2月期までの3年間で約1億円の所得を隠し、法人税約2800万円を免れたとされる。社外の左官職人を一時的に雇う際、外注先に請求書を偽造させるなどし、架空の外注費を計上していたとみられる。
信用調査会社などによると、同社は高嶋前社長が1988年に創業し、97年に有限会社となった。マンションなどの大型施設の左官工事から文化財や古民家の修復工事まで幅広く手がけ、15年2月期の売上高は受注が増えた影響で前期比約1・6倍増の約3億4900万円だった。
同社はホームページで「高度な技術と匠の技で『国宝姫路城』の修復工事に携わりました」と説明している。