米議会下院の共和党指導部は6日、トランプ政権が撤廃を掲げていた「医療保険制度改革(オバマケア)」の代替案を公表した。保険への加入義務づけなどを撤廃する一方、現行の制度を一部残した。共和党内部では「完全撤廃」を求める保守派や、既存の保険加入者への影響を懸念する声もあり、議会審議は曲折が予想される。
代替案では、保険への加入を義務づける条項や、処方薬や医療機器などにかかる税金をなくす。一方で、病気を患っている人の保険加入を保険会社が拒否できない条項や、子どもが26歳になるまで親の保険に加入できる条項は残した。
トランプ大統領は「悪夢を終える時だ」とツイート。ホワイトハウス報道官は声明で「医療の選択肢の復活に向けた重要な一歩だ。大統領は議会両院との協力を楽しみにしている」と述べた。
代替案では財政負担や既存の加入者への影響などは示されておらず、今後、内容の分析が進むにつれて、さらなる反発も予想される。国民皆保険を目指したオバマケアは2010年に成立。保険に入れなかった人の割合は下がった一方、保険料が高騰したなどとして、共和党支持者らから反発が出ていた。(ワシントン=五十嵐大介)