第18回統一地方選は12日、10道県知事選と5政令市長選などの前半戦が投開票された。自民、民主両党が推す候補者が対決した北海道と大分県の知事選はいずれも自民、公明系の現職が勝利し、4選を決めた。10知事選で自公系の現職が全員当選した。41道府県議選で、自民は総定数の過半数を得た。政権基盤を強めた安倍晋三首相は、経済政策「アベノミクス」や安全保障法制の整備を加速させる。
首相は12日夜、自民党の谷垣禎一幹事長に電話で「知事選で10勝できたのは大きい」と述べ、政権運営への追い風になると期待感を示した。
今回の統一地方選は安倍政権にとって、政権奪還を果たした2012年衆院選、衆参のねじれを解消した13年参院選、14年衆院選に続き、「政権奪還の総仕上げ」と位置づける選挙だ。14年11月の沖縄県知事選や、15年1月の佐賀県知事選など地方選敗北の連鎖を断ち切れるかどうかが焦点だった。
10知事選のうち与野党対決型は2つ。このうち北海道は自公の地方組織が推薦した高橋はるみ氏(61)が、民主の地方組織などが支援した新人の佐藤のりゆき氏(65)を退けた。高橋氏は「道民から改めて『この先も任せた』という意思を示してもらい、身が引き締まる思いだ」と語った。
もう一つの大分では、自公の地方組織が推薦した広瀬勝貞氏(72)が、民主が実質的に支援した前大分市長、釘宮磐氏(67)らを破った。広瀬氏は「大分県版の地方創生の足がかりを何とかつくりたい」と話した。
10知事選すべてを自公系が制したのは、6知事選で自公と民主が相乗りする形で現職を推したことや、三重と島根で民主が候補者の擁立を見送った影響が大きい。
5政令市長選で唯一の対決型となった札幌は、民主、維新が推薦した元副市長、秋元克広氏(59)が勝利した。