【NQNニューヨーク=神能淳志】14日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3日続伸した。前日比75銭の円高・ドル安の1ドル=119円35~45銭で取引を終えた。米経済指標が市場予想を下回ったことを受け、主要通貨に対するドル売りが膨らんだ。米長期金利が低下したことも日米の金利差縮小を見込んだ円買い・ドル売りを誘った。
米商務省が発表した3月の米小売売上高は前月比0.9%増と、市場予想(1.1%程度の増加)を下回った。米景気の先行きへの警戒感が高まり、ドル買いの持ち高を縮小する円買い・ドル売り動きが強まった。
このところ米景気の回復の勢いが鈍っているとの見方から、米連邦準備理事会(FRB)による利上げの時期が後ずれするとの思惑も浮上。米長期金利が一時1.9%を下回る水準まで下がったことも円買い・ドル売りにつながった。
14日の円の高値は119円07銭、安値は119円97銭だった。
円は対ユーロで6営業日ぶりに反落し、前日比25銭の円安・ユーロ高の1ユーロ=127円15~25銭で終えた。ユーロが対ドルで反発したことにつれ、対円でもユーロ買いが優勢となった。
ユーロは対ドルで7営業日ぶりに大幅反発した。前日比0.0085ドル高い1ユーロ=1.0650~60ドルで終えた。米小売売上高が市場予想を下回ったのを手掛かりに対ユーロでもドル売りが活発になった。
14日には一部報道で、欧州中央銀行(ECB)がギリシャ国内の銀行への緊急流動性支援(ELA)の上限を740億ユーロ(約9兆4000億円)まで引き上げたと伝わった。ただ、これまでも段階的に上限を引き上げてきたことから相場の反応は限られた。
ユーロの高値は1.0708ドル、安値は1.0558ドルだった。