東京電力（9501）は15日、「特別事業計画」の変更について、政府から認定されたと発表した。福島第１原子力発電事故の被害者への賠償額の見通しを7037億円積み増す。事故による放射能汚染地域の除染費用に加え、被災地域の農産物などの出荷制限や風評被害に伴う賠償などにあてる。同社によると、今回の計画変更による足元の業績への影響はないとしている。

同社は昨年８月の事業計画認定時の賠償額の見通しは５兆3014億円としていた。積み増す7037億円の賠償金については、国から補償金として689億円を得るほか、残りの6348億円を原子力損害賠償・廃炉等支援機構から援助を受ける予定。調達した資金は特別利益として計上した後に、特別損失として被害者などに支払う。同社によると「同機構からの援助については長期的には返済する必要がある」としている。〔日経ＱＵＩＣＫニュース（ＮＱＮ）〕