2014年に世界中で廃棄されたコンピューターや携帯電話、家庭用電子機器など、有害物質を含むことが問題となっている「電子ごみ」の量が推計4180万トンに上り、毎年増加傾向にあるとの調査報告書を国連大学のグループが20日までに、発表した。18年には5千万トンに達するとみられる。
約180の国と地域ごとに発生量を詳細に調べた初めての研究だとされ、日本は220万トンで、米国の707万トン、中国の603万トンに次ぐ世界で3番目の多さだった。
グループは「電子ごみには鉛や水銀、カドミウムなど多くの有害物質が含まれるが、回収やリサイクルが行われていない国が多い」と指摘。「リサイクルや適切な処分を進めるための制度の充実が課題だ」としている。
グループは260種類の電子機器の生産や輸出、廃棄量に関する統計や機器の寿命などから、電子ごみの発生量を国ごとに推計した。
世界の14年の発生量は、電子レンジやビデオカメラなどの家電が1280万トン、携帯電話やパソコンなどが300万トンで総量は4180万トン。この中には220万トンの鉛ガラスや30万トンのバッテリーなど有害物質を含むものが多く、成層圏のオゾン層を破壊し、強力な温暖化ガスでもあるフロンガスも4400トン含まれているという。
各国の政府などが回収している電子ごみは650万トンにすぎず、先進国から発展途上国に輸出され、環境汚染の原因となる例も少なくないとみられる。
報告書は日本の家電リサイクル制度などを前向きに評価し、13年には55万6千トンの電子ごみが回収、処理されたとの統計を紹介している。〔共同〕