亀浦漁港にクレーン船で運ばれてきたワカメやブイを整理する漁業者ら=1日午前、徳島県鳴門市、長谷川大彦撮影
徳島県鳴門市の亀浦漁港沖約500メートルに係留中の鳴門町漁協のワカメの養殖いかだ約30基が潮流で流された。収穫直前のワカメがロープに絡まり損傷するなどして約150トンに被害が出た。いずれも廃棄処分される。市は被害額は6千万円にのぼるとみている。
漁協や市農林水産課によると、2月28日午前6時ごろ、複数のいかだが流されているのを漁協職員が見つけた。いかだはブイとロープで格子状に結ばれた正方形(一辺約30メートル)。海中のロープに植えられたワカメは約1メートルに育っていた。1基につき15本程度のいかり(重さ計400~700キロ)で海底に固定していたが、前夜からの大潮で流されたとみられる。いかだ同士がロープで絡まり合って被害が拡大したという。
漁協は1日朝から船や重機を使っていかだやワカメを陸に引き揚げた。職員の男性(33)は「過去にもいかだが流される被害はあったが、ここまで深刻なのは初めて」と肩を落とした。
中国四国農政局などによると、2014年度の徳島県のワカメの収穫量は6820トン。このうち約2割を同漁協が占めるという。