30日午前の東京外国為替市場で円相場は1ドル=119円ちょうどを挟んだ水準でもみ合っている。10時時点では前営業日28日の17時時点に比べ5銭円高・ドル安の1ドル=118円97銭~119円ちょうど近辺で推移している。日経平均株価の下げ幅が一時300円を超えたことを受けて、低金利通貨の円を買う動きが出たものの勢いは強まらなかった。「日本の外為証拠金(FX)投資家が相場の流れに逆らう『逆張り』で打診的に円を売り、円の重荷になった」(FX会社)との指摘もある。
10時前の月末の中値決済では「ドルがやや不足していた」との声が聞かれた。しかし円売り・ドル買いは円相場に影響を与える規模ではなかったようだ。「既に連休入りした企業も多く、通常の月末に比べると注文は薄い」(邦銀の為替ディーラー)という。内閣府が8時50分に発表した3月の鉱工業生産指数速報には特に反応はなかった。
円は対ユーロではやや底堅い。10時時点では同2円73銭円安・ユーロ高の1ユーロ=132円23~27銭近辺だった。日経平均の下落が円の支援材料になった。
ユーロはドルに対しては方向感が乏しい。10時時点では1ユーロ=1.1112~16ドル近辺と、28日の17時時点に比べて0.0232ドルのユーロ高・ドル安水準だった。東京市場では新規の手掛かり難で商いは活気を欠いている。〔日経QUICKニュース(NQN)〕