経済産業省が30日発表した3月の鉱工業生産指数(2010年=100、季節調整済み)速報値は前月比0.3%低下の98.6だった。低下は2カ月連続。QUICKがまとめた民間予測の中央値は2.3%低下で、市場予想からは上振れた。
経産省は「1~3月でならしてみると上昇基調は変わっていない」として、生産の基調判断は「緩やかな持ち直しの動きがみられる」に据え置いた。
生産指数は9業種が前月比で低下、上昇は5業種で、1業種が横ばいだった。低下業種をみると、「電気機械工業」が前月比3.7%の低下だった。在庫が高水準にあるエアコンで減産の動きがみられた。「石油・石炭製品工業」は7.7%低下した。
自動車を含む「輸送機械工業」は前月比1.2%上昇した。国内販売や輸出が堅調なことを受け、普通乗用車や普通トラックの生産が好調だった。国内通信事業者の設備投資を背景に「情報通信機械工業」は5.4%上昇した。
出荷指数は前月比0.3%低下の97.6と、2カ月連続のマイナス。在庫指数は0.3%上昇の113.3で、2カ月連続のプラスとなった。在庫率指数は0.4%上昇の113.9だった。
同時に発表した製造工業生産予測調査によると、4月は前月比2.1%上昇、5月は0.3%の低下を見込む。経産省では「4月は電気機械工業や電子部品・デバイス工業等が海外からの受注によって上昇する」とみている。〔日経QUICKニュース(NQN)〕