国土交通省が30日発表した3月の新設住宅着工戸数は前年同月に比べ0.7%増の6万9887戸と、1年1カ月ぶりに増加に転じた。QUICKがまとめた市場予想(1.9%減)を上回った。注文住宅など持ち家の減少率が縮小したことや、貸家が9カ月ぶりに増加したことが寄与した。首都圏で2カ月連続のプラスとなったほか、中部圏でも11カ月ぶりに増加するなど、都市圏で消費増税に伴う駆け込み反動からの回復の兆しが見え始めている。
貸家は4.6%増の3万243戸と9カ月ぶりに前年を上回った。2015年1月の相続増税に伴う節税対策による投資が堅調だった。一方、持ち家は1.4%減の2万1352戸と14カ月連続で落ち込んだ。マンションなどの分譲住宅は4.9%減の1万7560戸と2カ月ぶりに減少した。
国交省は、住宅着工戸数のプラス基調が定着するには「貸家が増加を維持するほか、持ち家の持ち直しがカギ」とみている。
併せて発表した14年度の新設住宅着工戸数は13年度比10.8%減の88万470戸と、米リーマン・ショック後の09年度(25.4%減)以来5年ぶりに前年度を下回った。消費増税に伴う駆け込み反動で持ち家が前年から2割減少したことが響いた。持ち家は21.1%減の27万8221戸。〔日経QUICKニュース(NQN)〕