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盛岡大付、接戦制した伝統の強振 きっかけは大谷翔平

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高岡商―盛岡大付 十回裏盛岡大付無死二、三塁、林の中前2点適時打で三塁走者の三浦奨に続き、二塁走者植田が生還しサヨナラ。捕手筏=角野貴之撮影


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(20日、選抜高校野球 盛岡大付10―9高岡商)


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盛岡大付のフルスイングは、見ていて気持ちがいい。1番に座る植田が、その典型。「頭を真っ白にして、1球目から打つ」。迷いがない分、振りが鋭い。


8―9で迎えた十回、無死一塁。関口監督の頭の中に犠打はなかった。ここまで3安打2打点の植田は、初球を引っ張る。痛烈なゴロが、三塁手のグラブをはじいた。失策を誘い、二、三塁。勝利に向かう流れをぐっと勢いづかせた。


続く林の適時打でサヨナラのホームに頭から飛び込んだ植田は、自信満々の笑顔だ。「打ち勝った実感はあります」。両チーム計27安打の乱打戦を制した。


全員が体がよじれるほど強振する。特に植田は、高岡商の外野手にフェンス近くまで下がって警戒された。165センチと上背がないが、昨夏の甲子園で本塁打を記録。この日、関口監督は「植田の前に走者を」と、昨秋の4番だった松田を9番にしたほどだ。


岩手県のチームだから、フルスイング打線が生まれた。2011年秋、ライバル校の花巻東に大谷翔平(現日本ハム)がいた。好投手攻略のため、関口監督は打ち勝つチームづくりを始めた。冬は雪が積もる。長靴を履いて打ち込み、「とにかくバットを振らせる。フライやゴロになっても選手は責めない」。“強振”は伝統になった。


この試合は15安打10得点。昨夏の甲子園の全3試合で記録した2桁安打を継続した。植田は言う。「怖さは与えられたと思う」(小俣勇貴)



○林(盛) 延長十回にサヨナラ打。「(狙いを)ストレートに絞っていた。今までもサヨナラ安打を打ったことがあるけど、一番うれしい」


○平松(盛) エースは四回途中から登板し、3失点。「球が高めに浮いたところを打たれた。今日は投手陣が迷惑をかけたので、次は0点に抑える」



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